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このニュースレターは、AIとほどよく共生しながら、あなたを晴耕雨読暮らしへとお誘いするために書いていきます。
こんにちは、髙草雄士です。
晴れの日は農福連携で土を耕し、雨の日は読書普及で人を耕し、晴耕雨読暮らしをしています。
晴耕雨読というと、どこか隠居くさいイメージを抱かれるかもしれません。しかし、これからの時代は、
AIという巨大な波にあえて乗り過ぎないこと
が大切です。なぜなら、AIの進化が速過ぎるからです。
一、AIという巨大な波に乗るべきですか。
まずは2026年のニュースの抜粋から入りましょう。
・開発者自ら「速度を落としてくれ」と米国政府に訴える。
AI May Be Progressing Too Fast, Anthropic Suggests (Technology Org)
・米国人の7割以上が「AIは速く進みすぎている」と考えている。
AI was supposed to win people over by now — it hasn’t (TechCrunch)
いずれも米国の記事ですが、もはや開発者自身がAIの進化速度に不安を覚え、政府に協力を要請するという前代未聞の事態に陥っているのです。
一例を挙げると、Claude Codeで有名なAnthropic社は、
「When AI builds itself (AIが自らを作るとき)」
と題した文書を公表し、人間が制御を失う前にフロンティアAI開発を減速、あるいは停止する必要があるかもしれないと論じています。
つまりは、既にAIがAIを複利的に生成していく時代が始まっているのです。
では、このような流れを受けて、AIの進化が止まるかというと、それは難しいと思いませんか。
ちなみに先ほどは米国のAI事情から入りましたが、AI関連の人材が世界で最も多いのは、中国です。その中国では、Kimiをはじめ、安価でかつ米国と同機能のAIが台頭しており、人材も消費者もそちらに流れています。
仮に米国でAIの成長速度が止まったとしても、すでに世界ではAIが進化をし続ける図式ができあがっているのです。
つまりは、前代未聞の時代の波が、これからしばらく絶えず押し寄せてくるということになります。
さて、この巨大な波に、あなたは乗りますか。
それとも、あえて降りますか。
私は後者のような方と、これからは連携をしていきたいと考えています。
二、ちいさな晴耕雨読をはじめておきませんか。
AIという巨大な波に、あえて乗らない。
この選択肢は私にとって大変魅力的に響くと同時に、一抹の不安も抱かせます。自分だけが大きく取り残されてしまうのではないか、という不安です。
先日、
「AIに奪われたい仕事」
という広告を駅で見かけました。
なんとも上手なコピーだなと感じました。
あなたの仕事は、
・AIに奪われたい仕事 ・AIに奪われたくない仕事
とに分けられるのです。
私個人の「AIに奪われたくない仕事」は、晴耕雨読になります。
なぜなら、自分で食べるものは、基本的に自分で育てたいからです。
雨読に関しても、やはり自分で本を読み、心を育んでいきたい。
だから、もちろんこのニュースレターも、私自身が書いています。
さて、創刊号からしばらくは、「ちいさな晴耕雨読」のすすめをまずしていきます。
その入り口には、ノウフクが最適です。
ノウフクとは農福連携の略称で、障害のある方等が農業の分野で活躍する取組をいいます。全国に一万近くの参画者がいて、日々、すべての人にやさしい農業が展開されています。
・ノウフクプロジェクト
つまりは、ちいさな農業をはじめられる土壌が、ノウフクには既にあると考えることもできるのです。しかし、
「農業をはじめる畑や庭なんてない」
こう思われる方も少なくないでしょう。
でも、大切なのは、「ちいさな晴耕雨読」をまず今ここで始めてみることです。
庭が雑草で覆われてしまって、農業なんて始められないと感じている方。
運動がてら、少し草を刈ってみませんか。
根から引っこ抜くと大変ですから、雑草の根を残して、カマやハサミで切ってみましょう。刈った草はそのまま庭に敷いておいて結構です。
むしろ、捨てずに敷いておいたほうがよいのです。
2023年、「僕らはひたすら草を土に置く」という記事で、私は文藝春秋SDGsエッセイ大賞のグランプリを受賞させていただきました。
記事に書いたように、草はひたすら土に置いてあげたほうが、基本的にはよいのです。むろん、草を土に置く営みも農業です。土がやわらかくなっていくのですから、立派な土壌改良でしょう。
ちなみに自然界では、風が草を刈ることがあります。風で草がしなり、その勢いで自然に草は刈られていくのです。だから、風の方向に沿って刈ると、より生態系が保たれたりします。
また、私の家内はバルコニーでかなりの野菜を育てています。いわばプランター畑ですね。葉ネギやニンニク、ニンジン、コマツナ、シソ、コカブといったあたりを一歳児の息子とバルコニーで収穫し、とれたての野菜を朝の食卓に出しているわけです。
こちらも、ちいさな農業ではありませんか。
このようなちいさな営みが、不用意に時代の波に吞まれないための第一歩となります。
クラウドにうつつを抜かしていないで、地に足をつけた暮らしも少しずつしていきましょう。
文字通り、地球が喜ぶ生き方です。
三、雨の日の一冊
『ニンジンより大切なもの』
ボリス・フォン・スメルチェック著(主婦の友社)
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この便りでは古書も含め、毎号一冊ずつ、雨読の本を紹介してまいります。創刊号は『ニンジンより大切なもの』を選びました。ドイツのベストセラー本です。
主人公はウサギ。
ですから、ニンジンはお金の暗喩です。
したがって、
あなたのお金よりも大切なものは何ですか。
と、この本は問いを投げかけているのです。
ニンジンをお金にしてしまうと、なんとも陳腐に映ってしまいますが、これからAIの台頭とともに、おそらく情報の価値とお金の価値が下がってきます。
ノウフクは、金融価値ではなく、社会的価値を高める取組として普及してきました。つまりは、ニンジンよりも社会的価値のほうが大切だと考えたわけですね。
では、もう一度尋ねます。
あなたにとって、ニンジンよりも大切なものは何ですか。
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編集後記
創刊号は、2026年9月1日付で発刊いたしました。個人的な話ですが、この日は父の七回忌でもありました。
晴耕雨読の暮らしへ、少しずつ舵を切りたい方の伴走となれれば幸いです。ともに人生を歩める方と、たった一通のお便りから連携できたらと、感じております。
今後の配信は、第1・第3火曜の朝、月2回。晴れの日の農福、雨の日の一冊、そしてAIという空模様。そのすべてを、毎号どなたにも無料でお届けします。転送も回覧も、歓迎です。畑と本を囲む集いなどの催しは、その都度、この便りの中で案内してまいります。
髙草雄士
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