食糧危機とフードロスが同時に危惧され
ている妙な時代に、自分で食べるものを
自分で育てるという経験は大切です。
食品添加物や農薬の問題に関心があった
としても、一から農作物を育てた経験が
あるのとないのとでは、やはり食を選択
する際の視野の広さも異なってきます。
もしかすると、一般的な野菜の価格が安
すぎるなと感じる方もおいでになるかも
しれません。
近代人は食を育む場からあまりに離れ過
ぎてしまったのではないでしょうか。そ
の結果、耕作放棄地も増えてきたのです。
その耕作放棄地は5年に1度行われる農
林業センサスというアンケートで、1年
以上作付けされる予定がなく、数年の内
に作付けの予定がないと回答された土地
のことを指します。
耕作放棄地が増えれば増えるほど、
・雑草や害虫、野生動物の被害増加
・廃棄物などの不法投棄の原因
・災害時の危険性増加
がより深刻化し、ますます我が国の食料
自給率は落ちていってしまうことになり
ます。さらに農家の高齢化と後継者不足
の問題が加わりますので、文字通り、日
本人はますます地に足をつけた生活がで
きなくなっていきませんか。
『生きている土壌』の著者エアハルト・
ヘニッヒもすべての土台は土であると言
っています。人生に迷う時期がきたなら
ば、裸足で土に立つといった行為が意外
とリセットにもつながります。これは精
神障害者をはじめとした障害をお持ちの
方にも言えることです。
そんな中、農福連携は耕作放棄地の活用
と親和性が高いと言われています。実際
に耕作放棄地を再利用して農福連携を促
進している事例も少なくありません。
また、耕作放棄地を未然に防ぐための圃
場維持を農福連携で担うというのも、非
常に有意義なことでしょう。例えば、竹
林は、
傘をさして歩けなければ竹藪
といった決まり(10アールに200本)が
あるので、竹を定期的に間伐していく必
要があります。
竹畑なのか、竹藪なのか。
農地として認められるか否かは、税金
の問題をはじめとして、大きな違いが
でてくるわけです。もし、畑として維
持ができるのであれば、竹林というの
は、多様な仕事を生みだしてくれます。
上の間伐で出てきたものを材料にして、
竹細工の創作をしてみたり、細かく砕
いて施肥用の竹チップも作れる可能性
があります。もちろん竹の子も収穫で
きますよね。
特に自前型の農福連携は、出荷調整や
加工の潜在的可能性まで視野に入れて、
耕作放棄地にも通年での仕事の切り出
しができるポテンシャルがあるのか否
か考えていきましょう。
ではまた。
#竹林
#竹藪
#自前型
#農福連携
#ノウフク
#食糧危機
#フードロス
#耕作放棄地
#食料自給率
#生きている土壌