「姓名なくして生命なし」と言ったのは
小林晟高でした。たしかな人物と同様、
せっかく育てた野菜の名前もきちんと考
えて販売するといったことが自前型農福
連携の醍醐味でもあります。
農福連携のブランディングにおいて注意
すべきは、障害をお持ちの方が丁寧に作
られたからという理由だけで、持続的に
購買していく動機にはなりにくいという
点です。
例えば、フェアトレードという価値観が
世界中で見直されていますよね。発展途
上国の方々に安価で製造していただくの
ではなく、適正価格で物事を動かしてい
こうとする姿勢です。
日本でもフェアトレードのマークがつい
た商品が多くでるようになりましたけれ
ども、購買者からすれば、フェアトレー
ドだからもとめたというよりは、その商
品をよいとおもったからもとめたのでは
ないでしょうか。つまり、
1、その商品自体に魅力を感じた。
2、その製造過程にも魅力を感じた。
という順序で購買を決めたということに
なります。
閑話休題。農福連携のブランディングも
上記と類似しているところがございます。
ノウフクで作った野菜だから売れるので
はなく、その野菜が安全で美味しいから
もとめるのです。そして、その作業工程
が農福連携という名のダイバーシティイ
ンクルージョンであるから、一層の魅力
を感じるという順序になります。
お客様目線での野菜作りやブランディン
グがノウフクでも必要ということですね。
障害をお持ちの方が販売される場合、そ
の純粋さ等で野菜が通常よりも売れるケ
ースはあります。しかし、その野菜が美
味しくなかったり、元気がなかったりし
たのなら、やはり持続可能な農福連携へ
とつながっていきません。
自前型の農福連携の立ち上げは大変なこ
とが多く、ともすれば障害をお持ちの方
が植えた種が育ってくれさえすればよい
といった考えに陥りやすいですが、最初
に販路とそれに伴うブランディングをし
っかりと話し合われた方がよいです。
ノウフクははじめが肝要。
ではまた。
▶参考図書
『千の顔を持つ英雄』キャンベル
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