目というのは、古代の海底にいた魚の額に
誕生した器官でした。光を感じるために脳
の一部が外にでてきたとイメージされると
よいでしょう。俗にいう第三の目のはじま
りだったのかもしれませんね。
目が不自由な方たちが運動会をされた際に
ハチマキなしではまっすぐ走れたのに、ハ
チマキをしてから走り難くなったという事
例があります。現代人でも、微かに額で光
を感じている可能性があるわけです。
その後、ご存じのように地球上の生物の目
はふたつが主流となりました。なぜか生物
には目や耳、手足といった対となるものが
多く、これもまた不思議なのですが、大概
はそこに「利き」ができました。
そして、目にもご多分にもれず利きができ
たのです(ちなみに利き肺もあります)。
まず、この赤ん坊の利き目がわかりますか。
赤ん坊にとって右目(向かって左側の目)の
方が左目よりも真っすぐにこちらを見ている
のがわかりますでしょうか。できれば左右の
目力の差も感じてみてください。
そう、この赤ん坊の利き目は右です。
利き目は脳の近くにある関係もあり、学習パ
ターンと直結する傾向にあります。すなわち、
利き目右:左脳型。論理的に言葉で学習。
利き目左:右脳型。感性的にイメージで学習。
と分類できます。農福連携において、利き目が
右の方に農作業指示をする場合、ステップバイ
ステップで論理的に説明するのが特性に適して
います。例えば、
1、まず抜いてよい草かどうか判断しましょう。
2、次に右手で草をつかんで、抜きましょう。
3、抜いた草は左手で身体の横に置きましょう。
といった具合です。一方、利き目左の方に農作
業指示をする場合、言葉よりもイメージで絵的
に示した方がよいので、農家や支援者が実際に
まず見本を見せた方が伝わりやすいです。
このような身体的アプローチで、お互いの特性
を知り、農作業をともにしていく機会も、現代
生活においては注目をされるべきものかもしれ
ませんね。
このような作業指示を支援者は可能でしたら、
同じ利き目同士をあわせていくとさらによい
でしょう。なぜなら、基本的に利き目と利き
目を合わせた方がディスコミュニケーション
が少ないからです。要するに支援者は障害者
の利き目に合わせてご自身が合わせる目を変
えて、障害特性と利き目の特性にあった作業
指示ができたら、障害者はより安心して農作
業ができるわけです。
さらには農作業をする適切な配置も利き目か
ら導くことができます。並んで農作業をする
際、左右の配置を変えても意味がないと思わ
れがちですが、実際はお互いがしっくりくる
配置が左右でもあります。その感覚が利き目
からくることも少なくありません。
これ以外にも多々ございますが、まず入門編
では利き目を知ってしていただき、上の観点
を現場でとりいれることをご検討ください。
また、できれば講演会やセミナも利き目に基
づいた席替えをすることをお勧め致します。
正面向かって右側の席には利き目が右の参加
者に、左側の席には利き目が左の参加者に座
っていただきましょう。もっとも日本人の約
7割が利き目右ですから、右の座席優位です。
利き目が右の方の学習パターンは左脳型で論
理的に言葉で理解される方が多いので、そち
らのグループの前にはステップバイステップ
で言葉を板書していきます。
一方、利き目が左の方の学習パターンは右脳
型で感性的にイメージで理解される方が多い
ので、そちらのグループの前には全体の雰囲
気がわかるような映像を流しています。
こちらも機会がございましたら、お試しくだ
さい。
言葉で伝えるのが苦手な方とも一緒に働い
ていく農福連携だからこそ、目でものを言
い、目でものを聞く姿勢が大切なのです。
数年くらいで通行人の方々の利き目が歩い
ているだけでわかるようになりますよ。
ではまた。
▶推薦図書
『利き目を使って描け』
-ベティ・エドワーズ著
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