農福連携へ新規参入される方の中には、自前型の
農福連携を希望される方も多くいらっしゃいます
が、一般社団法人ノーマポートではよほどの条件
がそろわない限り、援農型をお薦めしています。
なぜなら、やはり自前型は初期投資が高くつく傾
向にあり、農業技術も自分で習得していかなけれ
ばならないことが多いからです。一方、援農型の
場合は農家との良好な関係ができてしまえば、農
福連携事業をしながら、農業技術を教えていただ
くなどをして、相互に発展できる可能性に富んで
います。
援農型の農福連携をはじめる場合、最も肝要なこ
とは最初にご縁をいただいた農家から信頼を得る
といった姿勢になります。当然、農業経験もなく、
また障害者の育成もこれからといったフェーズも
珍しくありませんし、そのような段階では農家が
求める生産性も達成できないかもしれません。
しかし、謙虚に学び、互いに話し合いながら、あ
るべき農福連携へと近づけていこうとするならば、
大概はよい結果につながっているのもまた事実で
す。そのためには、障害特性を適した農作業をど
のように切り出していくかといったことを考える
前に、挨拶が大事だったりします。中には、
「挨拶さえしてくれれば、よいよ」
という農家も少なからずおいでになります。農福
連携に理解のある世代として、二代目の農家がと
りくもうとされる傾向が強く、まずは農家の家族
に挨拶をしてくれないと、初代を説得できないと
いう事情も実は多いです。皆で挨拶ができる雰囲
氣づくりからしていきましょう。
出荷調整の技術よりもお辞儀の仕方が大切なわけ
ですね。
ところで、そのお辞儀。きちんとできますか。お
辞儀は昔「お時宜」と書かれていました。文字通
り時がよろしいということで、時が満ちたら自然
と頭が垂れるといった人としてのあり方を示して
いるのです。
書道に楷書・行書・草書があるように、お辞儀に
も真行草と三種類がございます。草のお辞儀は会
釈の意味です。そのあたりも皆が自然とできるよ
うになっていくとよいですね。これが日本文化で
して、いわゆる
身だけ美しければよし
とする躾(しつけ)教育になります。躾という漢
字は中国から輸入したものではなく、日本で作ら
れた国字です。江戸時代の教育観そのものと言っ
ても過言ではありませんでした。もともとは現代
で批判されている体罰とはまったく関係のないこ
とです。
お辞儀はビジネスマナー講座で一日学んだからで
きるというものでなく、日々の挨拶を丁寧にして
いくことで、自然と身についていくものになりま
す。
おじぎ3年、あいさつ8年
といったところでしょうか(笑)。
話をもとにもどします。
ご縁をいただけた農家がどのような課題にお困り
で、どの部分を農福がお手伝いできるのか。
このようなことと真摯に向き合うことで、地域で
も農福連携のよい噂が広まっていき、援農先も増
えていく未来が待っています。
ではまた。
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