箸はナイフやフォークと比べて、一途
で多用と言いますか、切ったり、つま
んだり、刺したりしながら食事をいた
だきますよね。農具も同様に、例えば
シャベルを掘るのに使ったり、土をま
くのに用いたりするわけです。
今回の記事では、農具の持ち方の基本
的な考えを共有したいと考えています。
引き続き、シャベルを例として考えて
いきましょうか。まず、ツールに対し
ての基本的な姿勢は、
道具となじむこと
につきます。そして、なじむためのコ
ツは力み過ぎないということです。力
んでしまえば、身体と道具が分離して
しまって、なかなかツールがおもうよ
うに動いてくれないのです。
河井寛次郎が道具は等しく人の手足の
延長上で進化したという視点を残して
いますけれども、農具も手足のように
あつかっていきたいですね。
さて、シャベルを持つときも、やさし
く持つのが基本です。やさしく持った
うえで農作業によって微妙ににぎり方
を変えていきます。例えば、
掘る:小指をにぎる
まく:小指をかける
といった具合に使い分けるわけです。
小指というのは、ギュッとにぎると手
首がロックします。したがって、重た
いものを運ぶときはしっかりと小指か
らにぎってあげた方がよいでしょう。
一方、シャベルで土をまくといった遠
心力とともに土をまいていきたいとき
などは、手首をロックしてしまうとな
かなか自然にまくことができません。
小指を軽くかけるくらいにしておいた
方がよいのです。
ではまた。