援農型の農福連携の場合、事務所をどこに
するかというのは非常に大切なテーマです。
基本的な考え方は2つあります。
・障害者が通える場所にあるのか。
・日々、農地に行ける場所にあるのか。
といった地理的要因はやはり吟味しなけれ
ばなりません。特例子会社等の企業であっ
たなら、障害者自身が公共交通機関で通勤
するといったパターンが多いです。駅から
事務所までの道の安全性も視野に入れて、
選ばれるとよいでしょう。
また、その事務所から車で30分以内の場所
に圃場がいくつかなければ、そもそも農業
ができません。片道30分ということは、毎
日往復で1時間を費やす必要があるわけです。
そこまで広くない畑がいくつもある地域が
農福連携と相性がよい地理になります。そ
のような圃場は機械化をしにくいからです。
そもそも福祉よりも機械の力を導入した方
がよい土地柄というのもございます。
農家の人手不足をなぜ福祉で補いたいのか?
その地域で事務所を決められるまえに、よ
く吟味なさってください。農道は狭いこと
も多いので、軽自動車での移動を検討され
ると、最初はよいかもしれません。
さて、まったく農福連携の事例のない地域
での事業を検討されている場合、
偶然を必然にしようとする姿勢
が大切です。たまたま見つかった古い日本
家屋の空き家を事務所にしてもよいでしょ
う。この場合は農福連携に空き家問題の解
決といった物語が添えられることになりま
すよね。
人は理論ではなく、物語で動きます。
農家も障害者もこれから生まれそうな物語
に共鳴して、動いてくださると一般社団法
人ノーマポートは考えているわけです。そ
して、そもそも農福連携自体が物語を生み
やすい社会的デザインであることも、忘れ
てはならない原点です。
少なくても援農型の農福連携は事業による
地域社会への貢献を農業と福祉の双方から
見つめていく必要があります。ふたつの物
語が重なりあって、また新たな物語が自ず
と生まれていくのです。
ではまた。
▶推薦図書
『トピカ』
ーアリストテレス著
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