自前型の農福連携において、はじめて
畝(うね)立てを作るとき、大切なの
はやはりその目的です。農業的な視点
だけで言えば、
・農作物に適した畝立て
をすれば問題ないわけですが、農福連
携の場合はそこに福祉的視点も添えな
ければなりません。福祉から見たある
べき畝というのは、
・一般的な畝よりも広い畝立て
というものになります。なぜだか、わ
かりますか?
農作業のルールとして比較的最初に共
有すべきものは、「畝と畝のあいだを
歩く」といった類のものがあります。
しかし、畝に農作物が植えられている
から踏んではいけないことを障害者が
理解しても、それを実践するのはなか
なか最初は難しい傾向にあります。
まず、畝と畝のあいだをまっすぐ歩く
のが難しいのです。これは障害者に限
ったことではなく、現代人一般に言え
ることです。
そこではじめての畝立てでは畝と畝の
あいだを広くとるということを心がけ
てみてください。実際にその方が農作
業の難易度も下がります。
前面の農作業に没頭するあまり、後ろ
あった畝を知らないあいだに傷つけて
いたという事故も防ぎやすくなります。
また畝自身も広く立てた方が、最初は
よいでしょう。畝幅が60㎝で十分な農
作物でも、100㎝~120㎝とると播種
の際にどこに種を植えたらよいのかが
わかりやすくなります。狭い範囲を等
分するよりも大きい範囲を等分する方
が共有しやすいですし、のびのびと種
を植えることもできます。
広い畝に慣れてきたら、徐々に畝立て
を狭くしていって、生産量をあげられ
るようにしていきたいですね。
ではまた。