一般的な農家の方々の生活はご存じのように、
朝早くから仕事をしておいでです。時期によ
っては、日の出前の畑に車のライトを照らし
ながら、作業をされている方も少なくありま
せん。
一方、福祉の方々の生活は、福祉事業者にし
ろ特例子会社にしろ、いわゆる典型的な労働
時間に基づいて暮らしている方がほとんどで
す。
したがって、援農型の農福連携の場合は各農
家と何時に仕事をはじめて、何時に終えるの
かといった時間の話をしなければなりません。
特に夏場は、午後の早い時間など農家は作業
をしないことが多いですけれども、福祉側と
しては何か作業をしていたい時間になったり
するわけです。援農先での昼食が傷むリスク
も視野に入れながら、お昼休憩をどうするか
といった事項を互いに話しあっていきましょ
う。
また、農家にとっては土日祝日関係なく、農
作業が日々あるので、時期によっては日曜日
に手伝ってくれるとありがたいといった要望
がでてきたりもします。農福連携への信頼が
深まった証でもありますが、農業側からの希
望と福祉側からの希望のバランスをよく考え
た上で、振替休日等を検討するのもよいかも
しれません。
時間においても、農業側の福祉的理解と福祉
側の農業的理解を互いに深めていく必要があ
るわけです。
ところで、時間が伸び縮みすると視たのはア
インシュタインでしたね。時間というのは条
件によってあっという間に過ぎてしまうこと
がございます。
これは障害者が働ける時間にも云える部分が
ありまして、もちろん障害特性にもよります
けれども、一般的に障害者が働ける時間とい
うのはかなり限られてくる傾向にあります。
そもそも生涯労働時間は障害の有無に関係な
く意外と短いものです。一度、計算なさった
方がよいでしょう。
一般社団法人ノーマポートでは、障害者とと
もに農作業をする時間を農福連携と定義づけ
ています。そこで互いに残された時間を考え
ると、いかに眼前の障害者と農作業をともに
している農福時間がかけがえのないものなの
かがわかったりします。
無論、重労働の農作業がきてしまった場合は
そんなことを感じている余裕もないでしょう
けれども(笑)、それだってその当事者にと
っては生涯でいちばん重いものを運び、いち
ばん疲れた日かもしれなく、その傍らに支援
者としてのあなたがいたのです。
無事是貴人。
互いに無事で農作業をしてきたというのは、
それだけで奇跡なのですよ。
ではまた。
▶推薦図書
『相対性理論』
アインシュタイン著
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