私たちはいつまでこのような補助
金ありきの農福連携事業を続けて
いくのでしょうか。
そもそもそれは事業と呼べるので
しょうか。
このような質問を将来的に受けな
いようにするために、最初の事業
計画はきちんとしていきましょう。
その前に、
事業とは何ですか?
と問われたら、なんと答えますか。
これは比較的簡単で、課題解決に
つきます。人が困っている課題を
解決することで適切な対価を頂戴
することが事業です。
事業=課題解決
この簡単な方程式を忘れないでく
ださいね。特に自前型の農福連携
では農家も含めて忘れられがちに
なってしまいます。
障害者が一生懸命、美味しい有機
野菜をつくったから売れる。
そのようなことは滅多にありませ
ん。なぜだかわかりますか?課題
解決から野菜づくりを考えていな
いからです。
障害者がイチゴを育てたいと言っ
たからイチゴの作付計画を練るの
ではなく、地元のケーキ屋がイチ
ゴを欲しているから障害者の戦力
をそのケーキ屋が求めるイチゴ作
りに向けるのが、本当の意味での
障害者ファーストなのかもしれま
せん。
このような出口が決まってはじめ
て、どのようなイチゴをどの程度
作るとどのくらいの利益ができ、
工賃に還元できるのか。それと付
随して、あるべき圃場面積も自ず
と決まってくるわけです。
その地域の方々にどのような農作
物を求められているのか。そして、
そのご期待にどの程度までお応え
できそうなのか。まずはそのよう
な出口戦略を考えていきましょう。
レシピは材料と順序が命です。
持続可能な農福連携のレシピとし
て、誰に求められる農作物をつく
るのかを明確にするところからは
じめてくださいね。
これが自前型事業計画の基本的な
考え方になります。障害者雇用率
や仕事の切り出し等の理由から農
福連携に参入するご事情もよくわ
かりますけれども、レシピの順序
を間違えるから、販路に困ってし
まうのです。ボタンのかけ違いが
ないスタートアップをなさってく
ださい。
ではまた。