ー 記事の対象 ー
各都道府県の農福連携ご担当者
農福連携技術支援者育成研修の受講を検討している方
都道府県の技術支援者育成研修
農福連携技術支援者育成研修は2020年度に農水省が創設したものになります。初年度は水戸市の農林水産研修所つくば館水戸圃場研修に加え、静岡県と岡山県で開催されました。特徴としましては、圃場での研修が挙げられます。
現在は北海道・静岡県・愛知県・三重県・鳥取県・高知県・岡山県・山口県・宮崎県・沖縄県で開催されており(23年度)、一般社団法人ノーマポートはそのうち北海道・静岡県・三重県の「農作業における作業細分化・難易度評価・作業割当て(圃場研修含む)」を担当させていただいております。写真は静岡県の研修(22年度、23年度)における圃場研修にてお世話になってますすずなりカレッジさんになります。
農業版ジョブコーチ
農福連携技術支援者は農業版ジョブコーチのことを指します。いわゆる農福連携コーディネーターとは異なりますので、ご注意ください。
都道府県主催の研修においても、最終日のテストに合格すれば、農水省認定の農福連携技術支援者になれる仕組みです。逆に、都道府県以外のご担当者様が同研修を主催された場合は、受講者は農水省認定の農福連携技術支援者にはなれないということになるわけです。
都道府県主催であれば、その地域内のどこで開催されても大丈夫ですから、島での開催も可能です。また、幅広い方が農福連携に参入できるよう意図されておりますので、受講資格はなく、農業関係者や福祉関係者はもちろんのこと、行政やJAの職員、法務省関係者や大学教授・大学院生、会社員、議員の方々も受講されています。農業未経験だからといって、事前に農業や農福ボランティアをする義務はありません。非常に人気のある研修で、どこも定員よりも多く申し込まれ、抽選になってしまう傾向にあります。
研修カリキュラム
研修カリキュラムは上記のようになります(農林水産省HPより引用)。各都道府県ごとに時間割や圃場研修の方法が異なりますので、ご注意ください。最後の修了試験はテキストの持ち込みは可能となっています。研修で学ばれたことを言語化できるようにしておきましょう。
全ての研修に参加され、修了試験に合格されましたら、農福連携技術支援者として認定されます。
一般社団法人ノーマポートが本研修の講師を永くやらせていただいるのは、カリキュラムが素晴らしいからです。「障害者」という言葉自体にあまり好感を抱いておりませんけれども、それ以上に違和感を抱くのは、健常者を正常として考え、そこに合わせるように障害者を教育し、生産性に繋げようとする姿勢になります。対照的に本研修のカリキュラムでは、農業版ジョブコーチという名称からも分かるようにコーチングの視点も取り込まれており、障害者がそのままの形で活かされるような可能性に焦点を当てているのです。
もちろん農福連携にも安全管理などを目的としたティーチングが必要な場面が少なくありません。しかし、それと同時に障害者自身の中にすでに答えがあると信じ、その才を傾聴等でひきだすコーチングの姿勢も必要不可欠です。
農福連携技術支援者育成研修を受講される皆さまには、どうかこのような視点を身につけていただければと願っております。
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