ふかふかの土のうえに最近立ちましたか?
生きる土台にあるのは土である。
ー『生きている土壌』ヘニッヒ著
農業には多様な哲学や世界観が反映され
やすいですけれども、一般社団法人ノー
マポートでは、農業の成功はほぼ土にあ
ると感じています。特に多様な微生物が
生きている土こそ、共生社会の実現を目
指す農福連携にとって最適ではないかと
考えているのです。
ふかふかした大小の団子の粒粒がある土
はその証ですね。団粒構造といいます。
そもそも「土」という漢字は、白川静に
よると土を団子のように縦長に丸めて台
に置いた景色から生まれました。それを
神様として手を合わせたのです。
昔は、土を神様の代わりとして見立てて
いたのがわかりますか。このような方法
をシロ(代)といいます。団子のように
丸めた土そのものを神様としたわけでな
く、どちらかというと神様がやってくる
際の空間的目印ですね。
苗代のシロでもあります。
閑話休題。自前型の農福連携はぜひ障害
者の方々にもご尽力いただきながら、土
づくりからはじめてはいかがでしょうか。
ふかふかの土の微生物は豊かです。よい
土にはよい微生物がおり、虫が棲み、雑
草も根がはり、鳥がそれをついばむとい
った自然の循環が生まれます。
腐植が土をよい香りにし、そこを通った
雨水が海の植物プランクトンや藻をより
育み、最終的には動物プランクトンや魚
介類も元気になっていくわけです。
このような循環の一翼を担う土壌で障害
者が農作業をするという意味を考えてみ
てください。また、本来の意味で元気な
農作物であったなら、虫にはあまり食わ
れません。虫が食うのは基本的に元気で
ない農作物なのです。
最後は上でご紹介したエアハルト・ヘニ
ッヒの引用でお別れしましょう。
古来、人が幾千年も耕してきた土がたか
だか数十年の近代農法の果てに毀され、
死滅しようとしている。土壌の腐植は減
り、保肥力や保水力が失われ、化学肥料
由来の物質が河川や地下水、海の汚染を
していく。つまり、人類は飲料水を失う
のである。
ではまた。
▶推薦図書
『生きている土壌』
ーエアハルト・ヘニッヒ著
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